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WEDDINGS BEAUTIFUL JAPAN2

はじめに

 株式会社ジャスマックは 1989 年、ハウスウエディングのパイオニアとしてゲストハウスの運営を始めました。「10 組のカップルには 10 通りのウエディングを」という思いのもと、従来の日本にはなかったフリースタイルのウエディングのお手伝いをしてまいりました。
そのかたわら、2000 年には米国のウエディングプランナーの資格『ウエディングスペシャリスト』を認定する『ウエディングスビューティフルワールドワイド』の日本支部として、ウエディングプランナーのスキルアップと人間力を高めることを目的とした人材育成・教育事業をスタートし、2013 年 7 月にはウエディングスビューティフル協会を発足、ウエディング現場の運営から得られる情報をもとに、いま求められているブライダル教育のあり方を常に念頭に置きながら事業に携わっています。

 こうした歩みの中で数年来、米国スタイルのウエディング教育プログラムとともに、“日本のウエディング”を学べる教材を望む声が、ブライダル関連の教育現場から高まってきたことから、このたび本書「日本のウエディングプランナー育成プログラム」を作成、上梓いたしました。
本書は、日本のウエディングの歴史から伝統・慣習、そして現場での様々な実務の内容やその実践方法、さらに現在のブライダル事情まで網羅。最大の特色は、ウエディングの現場を持ち、ブライダル教育に力を注いできた『ウエディングスビューティフルジャパン』ならではの現場の声を反映させた「活きた知識の使い方」や「、研修マニュアルをもとにした実務」まで細部にわたり効率的に学習できる内容になっていることです。結婚を決意したカップルが結婚式を迎えるまでの流れに沿って、どのタイミングでどんな業務を行うのか、その業務に必要な知識は何かをわかりやすく構成し、解説しています。

カップルのニーズが多様化する昨今、ウエディングプランナーに求められるスキルは高まる一方です。この実務テキストで幅広く実践的なスキルを身につけ、今後のブライダル現場での活動に活かしていただければ幸いです。

株式会社ジャスマック
ウエディングスビューティフルジャパン

第1章 ブライダル業界

1. ブライダルの業態

 婚礼とは、婚姻を成立させるため、また確認するための儀式であり、人生の通過儀礼である。
婚礼には多彩な様式があるが、日本においては一般に挙式と披露宴を行う。挙式は結婚を誓う
儀式であり、披露宴は婚姻の報告とお披露目をする祝宴である。

 ブライダルビジネスはそうした「婚礼」を商品化して販売するサービス産業であり、日本に
は以下のような業態がある。新郎新婦が婚礼を行う際には、そのほとんどがこのうちのいずれ
かを利用する。

 また、ブライダルの仕事に就くというのは、このうちのいずれかに関わること
を意味する。近年の傾向としてブライダルの業態は、新郎新婦のニーズの多様化に伴って様々
な対応が必要となったため、業態による差がなくなりつつある。

 1)ホテル

 今日の一般的な婚礼のスタイルはホテルブライダルから発祥し、ブライダル業界はホテルス
タイルの婚礼を礎に発展してきた。ホテルとは宿泊施設であるが、その多くに宴会を取り扱う
「宴会部門」があり、婚礼は宴会部門の主要な収入源となっている。

 ホテルの婚礼は一般的に、施設内に設けられた神殿やチャペルでの挙式と、宴会場(バンケッ
トルーム)での披露宴で構成される。ホテルブライダルの特徴としては、館内の多種多様なバ
ンケットルームで小規模から大規模まで幅広い婚礼ニーズに対応できること、控室などの設備
が充実していること、衣裳・美容・装花・写真といったブライダルに不可欠なサービスの専門
業者がテナントとして入っており、新郎新婦が効率よく、かつ安心して利用できる点などが挙
げられる。

 さらにホテルは一般に地域的な知名度が高く、格調の高さやサービスの質も一定以
上の水準を期待できることから、フォーマルな婚礼を望む新郎新婦には特に人気がある。

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 2)専門式場

 専門式場とは、婚礼を専門に取り扱う施設で、第二次世界大戦後に発展した日本特有の業態
である。施設およびサービスの内容はホテルに似ているが、多くは宿泊施設を持たない。また、
ブライダルが主業であるが、一般の宴会も受注し、双方により利益を得ている所もある。

 専門式場は、互助会系・公共系・一般に区別することができ、また、ブライダルをメインと
した業態であるため、華やかなイメージを建物全体で表現していることも大きな特徴である。
チャペルや神殿のほか多彩なバンケットルームが用意され、様々な規模の披露宴が可能である
こと、衣裳・美容・装花・写真などのテナントが入っていること、婚礼専門施設ならではの安
心感も、新郎新婦にとって大きな魅力となっている。

互助会制度:会員制。
一定期間会費を納め、積み立てることにより、葬儀や婚儀の際の高額な費用負担を軽減するシステム。

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 3)ゲストハウス

 ゲストハウスは、1990 年代半ばに生まれた邸宅型のブライダル施設である。「ゲストハウス」
と称するものの、「家」ではなく商業施設で、宿泊設備も持たないため、主に挙式・披露宴のサー
ビスで収益を得ており、戸建てタイプの専門式場といえる。

 特徴は大邸宅へゲストを招くイメージの婚礼をコンセプトとしている点で、敷地内に庭付き
一戸建てを有することが多い。スタイリッシュな施設と他の新郎新婦と顔を合わせることのな
い「プライベート感」を大切にし、一軒丸ごと、あるいはフロア単位で貸し切れることをセー
ルスポイントにしている。近年都市部では、利便性を重視した新たなビルインタイプのゲスト
ハウスも登場し、フロアを貸し切り、従来の邸宅と同様のコンセプトを打ち出したウエディン
グを提供している。いずれにせよ欧米スタイルの婚礼を意識しているため、挙式用の施設はチャ
ペルのみであることが多い。

 また、以前は衣裳や美容、装花、写真など、ブライダル関連のテナントが入っていることは
少なく、各種アイテムは施設と提携している専門企業からの出張業務などにより手配されてい
たが、近年は関連事業を内製化する企業も増え、施設内に専門部署を構えるケースもでてきて
いる。ゲストハウスは建物や雰囲気への憧れやプライベート志向が強く、アットホームな婚礼
を求める新郎新婦に人気が高い。

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 4)レストラン

 レストランは、くつろいだ雰囲気とおもてなしの料理を何より重視する新郎新婦から支持を
得ている業態である。形式ばらず自由度の高い婚礼が可能であること、少人数の披露宴に向い
ていることなども魅力とされ、新郎新婦が形式化された婚礼に疑問を抱き始めた1990 年頃か
ら急速に人気を高めた。

 レストランは本来、料理と飲物を提供することが本業であるため、ブライダルはその延長上
のサービスの1つに位置づけられ、婚礼であっても料飲サービスに主眼が置かれているのが特
徴であった。施設面もブライダルを意識した造りは少なく、レストランスペースを婚礼で使用
するという形が一般的で、かつては挙式スペースや来賓控室、新郎新婦の支度室、駐車場など
の不備が指摘されやすかった。近年はそうした問題が徐々に改善され、ウエディングの運営を
前提とした設備設計をして開業するレストランも現れ、ブライダルデスクを設置するなど、ゲ
ストハウスと同様の施設・サービスを誇るレストランも増えてきている。

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 5)海外ウエディング

 近年は海外での挙式を希望する新郎新婦も多く、それに伴って海外へ進出し、日本人向けの
婚礼ビジネスを展開している企業もある。海外ウエディングとは文字通り海外で結婚式を挙げ
ることで、日本にはない、海外ならではのロケーションに憧れる新郎新婦が、新婚旅行を兼ね
てこのスタイルを選ぶことが多い。最も人気の高い地域はハワイ・グアムで、ロケーションの
素晴らしさや日本からのアクセスのよさ、日本人観光客の受け入れ態勢が整っていることなど
数多くの利点があり、実施組数を見ても他の地域を大きく引き離している。

 挙式・披露宴に関しては、現地に日本企業が進出しているため、日本とほぼ同様のスタイル
で行うことも可能であるが、現地では挙式のみ、あるいは挙式と家族の会食を行い、披露宴を
行う場合は、日本に帰国後行うことが大半である。しかし、近年は海外での挙式のみで済ませ、
披露宴を行わないケースも増えてきている。

 1980 年代までは挙式・旅行とも個人が 自力で手配する必要があったため、手配方法や現地
の対応に不安を抱く人も多かったが、近年は海外ウエディング専門のエージェントや旅行会社
が国内の各社サロンで打合せをし、挙式・旅行はもちろん、衣裳やヘアメイク、祝宴に至るま
で一括手配が可能となっている。海外ウエディングは華やかな反面、いかに安心かつ確実なサー
ビスを提供できるかが鍵といえる。

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 6)リゾートウエディング

 ロケーションを重視した新郎新婦のニーズは国内を対象としても高まっており、国内リゾー
ト(避暑地・避寒地)での挙式・披露宴を扱うリゾートウエディングの企業も増えている。人
気の高い地域は、沖縄・軽井沢・北海道などで、いずれも自然に囲まれ、ホテル・専門式場・
ゲストハウス・レストランなどの様々な施設が都市部並みに充実している地域もある。

 舞台がリゾートというだけで一般的な挙式・披露宴が行われる場合もあるが、二人だけの挙
式や、リゾート挙式後に居住地で披露宴を催すなど、その需要は多岐にわたる。国内リゾート
ウエディングは海外と違い、両親や親族、友人が参加しやすいことも大きな特徴である。予約
方法は実施地の施設や教会に直接行う場合と、居住地付近の手配会社に依頼する方法がある。

プチウエディング・フォトウエディング

ブライダル業界は、第二次世界大戦後の経済成長とともに、業界主導で発展してきた。
しかし近年は新郎新婦の価値観やニーズが多様化・複雑化した影響で、業界主導のスタ
イルから、新郎新婦主導のスタイルへと移行し、ブライダル市場の変化にいち早く対応
した業態も生まれてきている。その代表が「プチウエディング」である。

プチウエディングには様々な形態があるが、共通するイメージは「小さな結婚式」で、
「挙式+衣裳+記念写真」を中心としたプランを展開する企業が大半を占める。披露宴を
催すつもりのないカップルでも「挙式だけはきちんとしたい」「花嫁衣裳を着た写真だけ
は残したい」と考えていることが多く、従来の「披露宴を中心にした婚礼」を販売する
業態では、カバーしきれなかった層を主要のターゲットにした点で急成長してきた。

また、近年は写真だけを残す「フォトウエディング」にも注目が集まっている。以前
のフォトウエディングは、ウエディングドレスの写真を残すのみが主流だったが、近年
は景観の良い場所でのロケーション撮影やテーマごとに装飾された専用スタジオなどを
使用して撮影するフォトウエディングも人気となっている。

いずれにせよ、新郎新婦のニーズの変化に伴い、様々なカジュアルスタイルのウエディ
ングが出現し、それらを略語で「○○婚」と表現している。

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プチウエディング・フォトウエディング

ブライダル業界は、第二次世界大戦後の経済成長とともに、業界主導で発展してきた。
しかし近年は新郎新婦の価値観やニーズが多様化・複雑化した影響で、業界主導のスタ
イルから、新郎新婦主導のスタイルへと移行し、ブライダル市場の変化にいち早く対応
した業態も生まれてきている。その代表が「プチウエディング」である。

プチウエディングには様々な形態があるが、共通するイメージは「小さな結婚式」で、
「挙式+衣裳+記念写真」を中心としたプランを展開する企業が大半を占める。披露宴を
催すつもりのないカップルでも「挙式だけはきちんとしたい」「花嫁衣裳を着た写真だけ
は残したい」と考えていることが多く、従来の「披露宴を中心にした婚礼」を販売する
業態では、カバーしきれなかった層を主要のターゲットにした点で急成長してきた。

また、近年は写真だけを残す「フォトウエディング」にも注目が集まっている。以前
のフォトウエディングは、ウエディングドレスの写真を残すのみが主流だったが、近年
は景観の良い場所でのロケーション撮影やテーマごとに装飾された専用スタジオなどを
使用して撮影するフォトウエディングも人気となっている。

いずれにせよ、新郎新婦のニーズの変化に伴い、様々なカジュアルスタイルのウエディ
ングが出現し、それらを略語で「○○婚」と表現している。

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2. ブライダル関連企業

 1)ブライダルプロデュース会社

 ブライダルプロデュース会社とは、新郎新婦が思い描くスタイルの婚礼を形にし、実現する
ことを主業とする企業である。

 業務形態としては、プロデュース会社が施設紹介から婚礼のプランニングおよび打合せ、当
日の施行・進行管理までトータルに行うケースと、提携施設にプロデュース会社からプランナー
を配属し、その施設の婚礼業務全般を請け負うケースに大別される。

 しかし近年は、直営婚礼施設を持たないのが一般的であったプロデュース会社が、自社の施
設を経営することも増え、事業形態も複雑化してきている。

 収入源は、新郎新婦から直接得るプロデュース料と、契約している施設からのFB(Food &
Beverage =料飲)コミッション、および付帯商品のリベートであることが多い。

コミッション:委託業務に対する手数料のことで、委任・委任状も指す。
リベート:支払い代金の一部を謝礼金・報奨金として支払い者に戻すこと。

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9)居抜き店舗のメリットとデメリット

ここで、最近話題の居抜き店舗についても触れておきたい。

飲食店は多額の出店費用がかかる業種であるため、安く手に入れる居抜き店舗を利用しようという人は多い。
最近はインターネットを駆使した居抜き物件の専門紹介会社もある。

確かに、繁盛店の経営者が高齢等を理由に引退した店をそのまま引き継いだ、というケースなどは、店の顧客も一緒に引き継ぐことができるから、これ以上のメリットはない。

ただし、そういういい店は、往々にして内々で後継者が決まり、一般に出てくることは稀である。

多くは、現在のオーナーが立地選びを間違えて経営に失敗したなどの理由で造作権が売りに出ている物件である。従って撤退・廃業することになった理由を把握することが必要だ。

例えば、物件の中には経営に失敗し、退店したいのだが、家主との賃貸借契約に「退店の場合には原状復帰にすること」とあり、解体費用が掛かるので居抜き店舗として、たとえ安くても造作権を売ろうと考える場合もある。

こういった居抜き店舗で最も慎重にチェックしなくてはならないのは、目に見えない給排水や給排気等の設備である。

せっかく安い居抜き店舗を手に入れたと思ったら、水漏れや臭いなど、給排水、給排気に大きな不都合が見つかったり、電気やガスの容量が不足していて厨房が使えない、等のトラブルに見舞われ、結局、改修工事費が高くついたという話は決して珍しいことではない。

慎重の上にも慎重にチェックすべきであろう。

又、例え、造作権の売買が合意したとしても、新しい経営者は家主と直接契約しなくてはならない。

その際に、家主が家賃を値上げすることもあるから、造作権買い取り前に賃貸借条件等の確認が必要である。

ジョイフル酒肴小路 新装企画店舗 301号室 − 店内カウンター

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10)「酒肴小路プロジェクト」の革新性

店舗銀行システムの店づくり思考の集約された姿が、札幌市の7階建て「ジョイフル酒肴小路」である。

「ジョイフル酒肴小路」は、7階までの各フロアー、それぞれ特長のある56店舗が軒を並べる路地を立体的に構成し、「天空の路地をめぐる楽しみを、十分に味わっていただく」という新しいコンセプトでつくられている。

全館、さまざまな業態の飲食店が軒を連ねることによって、ビル全体に集客力が生まれる。

さらにビルの入り口には、デジタルサイネージ(電子看板)を設置、それぞれの店舗やメニューが動画で紹介され、来店客の案内に効果を発揮する。

居酒屋などの飲食店の立地としては、当然、地階、1階あるいは2階までが、理想だが、実際、繁華街の一等地で、手ごろな物件を見つけることはなかなか難しい。

特に小型店舗となると極端に少ない。たとえ運よく見つかっても賃料が高い。

しかし今や、必ずしも地階や1、2階にこだわる必要のない時代になった。

というのは、スマホの活用が普通となったネット時代となって、店舗情報が容易に発信できると同時に、お客様も簡単に、行きたい飲食店の内容や所在地が検索できるようになった。

例えば、地価の高い立地でも、マンションとして立体利用することによって、マイホームを庶民の手の届く価格で販売できるようになったと同じく、繁華街一等地のビルを立体路地とすることで、合理的な家賃設定が可能となった。

店舗銀行システムの家賃は、標準的な経営計数から導き出され、正常に経営すれば十分に支払い可能な金額に設定されている(目標とする客単価と客席の回転数で予測できる)。

詳しくはこちら >

加えて固定家賃であることによって、それが経営者の努力目標にもなるばかりでなく、それ以上は経営者の収入となるのであるから、やりがい、働きがいにつながる。

なお、「酒肴小路プロジェクト」では、標準的な企画店舗のほかに、経営者と一緒にオーダー店舗をつくることもできるので、独自の出店構想がある場合は相談もできる。

店舗銀行システムでは現在、同様のプロジェクトを、青森・東京・福岡・熊本・長崎でも展開中である。詳しくは、『店舗銀行』で検索いただきたい。

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3.飲食店経営は「人間資本」が決め手
~経験がなくても飲食店経営ができる時代になった~

11)経営者に求められるやる気と能力

飲食店を開業したい、経営したいという人にとって、店舗銀行システムは大きなチャンスである。

すでに述べたとおり、立地は繁華街の一等地。店は店舗づくりのプロが店舗力のある内装設備を施している。

だから、経営者が能力(人間力)さえ発揮出来れば、店舗銀行システムによる飲食店の経営は必ず成功する。

店舗経営者の役割を整理すると次のようになる。

1.料理
・食材、酒類の仕入れ業者の選定(食材サイト)
・調理(調理技術、レシピサイト、調理機器)
・食器・少道具
・メニューブックの作成(写真重視)
①突出した看板メニュー
②価格設定(客単価、原価率)

2.接客サービス(お客様の顔と名前を覚える)
・接客経験、特技、趣味、人脈
・協力者(家族・友人等)、

3.販促
・飲食店DM、WEBの活用(顧客リストの作成)
・情報誌、チラシ等

4.収益管理
・インターネットレジの活用(月次収支表)

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12)経営者に求められるやる気と能力

オーナー経営者は、文字通りに自分の店だから、自分の持つ人間力をフルに働かせ、繁盛店にしていくことだけを考えればよい。
そこで、飲食店の経営に不可欠な人間力の中身について、考えてみたい。

私の経験から言って、飲食店という舞台で、立派に観客(お客様)を惹きつけられる役者の資質は、次のようなものだと考えている。前述の「店舗経営者の役割」に沿って、具体的に述べていきたい。

第一に調理技術である。

小さな生業店の料理メニューは限られたものになるが、独自の食材・調理法によって、他にマネのできない突出した看板メニューをつくることは、お客様を惹き付ける大きな力となる。

その店の個性を強く打ち出した料理に、お客様は集まる。

ほかでは食べられない料理を大いに研究したいものである。

なお、メニューが限定的であることは必ずしもマイナスではない。

人間は選択肢が多いと、かえって目移りがして、選ぶことが困難になり、幸福度が下がるからである。

又、限定メニューにする事で材料費のロスや廃棄を抑えることが出来る利点もある。

食材や酒類は、各地の名産や珍味などが、スマートフォンでのやり取りだけで、生産者から直送してもらうこともできる時代だ。

また、これまで卸や問屋ごとに注文書をつくって送っていた食材の発注を、スマホから発注書が仕入先に簡単に送れるようにもなった。

小さな店では、経営者自身に料理をする力がないと、料理人が休んだり辞めたりしたときに店を開けられないという運営リスクがある。

しかし現在では、豊富なレシピを提供し、調理法もわかりやすく教える各種料理レシピサービスがあるから、料理に素人の経営者でもそれらを利用して料理を研究し、提供することもできる。

加えて最近は、スチームオーブン、真空包装機、フードプロセッサーなど、小型調理機器の進歩が目覚ましい、それらを活用することで他店にないオリジナル料理を作ることもできる。

たとえば焼き鳥における串打ちを挙げたい。

串打ち3年と言われるが、単に具材を串に刺して焼けばいいというものではない。

そんなことをすれば、焼いているそばから具材がバラけたり、焼きムラができて火が入りすぎて硬くなっている部分と、焼けていない部分ができる。

集中して毎日何時間もかけて行う串打ちだが、卓上自動串刺機を使えば1時間で200本近く仕込むことができる。さらに失敗も少ない。

つまり、料理が好きならば、自ら学び、努力することで、料理人がいなくても飲食店の経営ができる時代になった。

プロ並みの家庭料理という手もある。手作りのローテク料理には、大手飲食店の料理人にも出せない、独特の魅力がある。

新鮮な食材をお客様の目の前で調理をし、色や音、匂いといった五感に訴えておいしさを演出できるのは、小さな飲食店ならではのことだ。

同時に、料理の演出に欠かせないのが食器(皿、酒器など)である。食器は、時には経営者の感性・店の個性の見せ所となる。

料理メニューについては、写真でアピールしたい。写真はできればプロのカメラマンに撮ってもらうほうが良い。

写真でおいしそうに見えなければ、お客様を惹きつけることもできない。

最後に、メニューの料金設定は、非常に大事である。客層をどこに置くか、客単価、原価率を慎重に考慮して決定しなくてはならない。

第二は、接客が好きで、豊かなコミュニケーション能力を持っていることである。

お客様を集め、常連客にできる能力と言ってもいい。

歌がうまくて客を楽しませたり、ゴルフに長じていたりすれば、その話題でお客様を惹きつけることができる。

実際、お客様と一緒にゴルフコンペを楽しんだり、草野球チームをつくったりして親しくお付き合いしている経営者も多い。

飲食店は、ただ単にお酒を飲むだけの場所ではない。お客様や友人との交流の場であったり、又、リタイア後のシニア客が、時には過去を振り返りながら一人酒を楽しむ空間でもある。

東日本大震災の直後、余震などの恐怖から東日本では外食の売上げが激減したのだが、その中で、逆に満席の店もちらほらあった、とトータルフードプロデューサーの小倉朋子さんは言う(『愛される「一人店」のつくり方』)。

それは、小さな飲み処や立ち飲みバー、狭いカウンター席中心の飲食店など、小規模店舗でした。

店外まであふれるほど人気の店まであったのです。これらの店に共通していたのは相席しやすく、席と席の間が狭いことでした。

膝を接するような小さな店で、お客様が求めていたのは、楽しい会話と人とのコミュニケーションだったのである。

これこそ小さい店ならではの魅力だ。

それに小さい店だからこそ経営者は常連客の顔と名前が覚えられる。また、常連客同士が親しくなれるチャンスも多い。

そうなれば、お客様は店のサポーター(支持者・後援者)となって、店の経営を助けてくれることもある。例えば、新しい顧客を紹介してくれることもあるだろう。そのようなサポーターに囲まれている店は強い。

初めて来店したお客様をいかにリピーターとし、サポーターにまでなっていただくか、それこそがオーナー経営者の人間力、コミュニケーション力にかかっている。

実務については、大型書店やコンビニに行けば飲食店として成功するために必要な経営から料理、レシピに至るまでの、さまざまな実例や提案にあふれた実用本、雑誌が並んでいる。

また最近、無料のレジアプリが次々と現れている。

その中でも「Air レジ」が基本レジ機能の使いやすさや売り上げ分析・在庫管理・顧客管理など豊富な機能によって、圧倒的に支持されている。

店舗規模の大小を問わず、高機能のレジシステムを簡単に導入できる時代になった。

いずれにしても飲食店経営を目指す人に、勉強のチャンスはいくらでもある。

要は世の中の動きや現象を注意深く観察し、それらの一つ一つが自分の店に当てはめられないかと、常に考え続けることである。

そして、気づいたことや思ったことは、すぐ実行してみることが大切である。

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13)技術や人脈、人間資本を活かす

人間は自分の力を活かすことに、大きな喜びを覚える存在である。

店舗銀行の経営者は、自分の店を、想いを持って経営することで、生きがいを感じるはずである。

店舗銀行システムで「資本がなくても飲食店の経営者になれる」というのは、言い換えれば、飲食店の経営には、お金以上に大事なものがあるということでもある。それは「人間力=人間資本」ということになる。

人間力の発揮には、若者も高齢者も関係ない。

国の財政から考えても年金制度には赤信号が点滅しているし、高齢者医療は維持不能となっている。

高齢者となっても働き続ける時代が到来しているし、元気なうちは働いたほうが楽しい。

結果的にそれによって収入を得て、人生を豊かに過ごすことができれば、これに勝ることはないと言っていいだろう。

冒頭で紹介した『小さな会社 儲けのルール』でも、次のように言っている。

かりに、会社を辞めて独立して、新しい事業を始めるとしましょう。

その場合、前の仕事でなにを、何年やっていたのか、前の職業でどれが一番好きか、どんな商品、お客さんが好きか。

そういったことを自分自身で考え、一番好きで、うまく行ったもので独立すると、当然ですが成功率は高まります。

店舗銀行システムは、身元保証金、食器などの多少の開業資金は必要だが、多額の費用がなくとも開業できるのであるから、お金を得るエネルギーを人間資本の充実に向けることができる。

開業(設備投資)資金を得ようと働きながらお金を貯めるにも時間がかかるし、限界がある。

少しばかりの資金はできるにせよ、自分の店を持つまでには至らない。

それどころか、資金をつくることに熱中するあまり、もっと大切なものを失ってしまうことになる。

たとえば、出費を惜しむあまり、人との付き合いがおろそかになってしまうこと、また、独立開業のために飲食店を見て歩く勉強の機会がなくなることである。

その結果、肝心の技術の習得や人脈を広げる貴重なチャンスを逃してしまい、ますます独立から遠ざかることになりかねない。

店舗銀行のように、資本がなくても独立できるシステムがあるのだから、むしろ、独立に必要な条件を満たす努力をしたほうがよほど賢明である。

現に飲食業界で働いているなら、将来の独立に備えて、さらに経験を深め、より幅広い技術やコミュニケーション能力を身につけることである。
勉強のためにと、アルバイトで働くチャンスならいくらでもある。

接待や社内の飲み会などで、いろいろな店を食べ歩くことができるのもサラリーマンのメリットだ。人気のある料理や酒の知識を身につけるチャンスも多い。

最後に新しい働き方について考えてみたい。

まずは、副業・複業で飲食店を経営しようかという人もいることだろう。

本業のほかの仕事で稼ぐ副業については、就業規則で禁止している企業もあるが、いまや、政府がその解禁の後押しをする時代になっている。

その名もずばり『副業で始める「飲食店ビジネス」』(高樹公一・講談社)では、こんな時代だからこそ、飲食業は開業のチャンスで、「サラリーマン」であることが開業に有利であると言っている。

サラリーマンを続けながら開業する場合に、家族を法人の代表にすればよいという。

飲食業を開業するチャンスだというのは、飲食や人との対話は人間に不可欠なもので、不況に強い業種であることなどが理由であり、サラリーマンが有利だというのは、給料という定期収入があることでそれが信用力となり、開業費用を金融機関から借りやすくなるからだ。

これは、妻を法人の代表にし、本人は連帯保証人となって銀行からの融資を受けた著者自身の経験でもある。

『週末起業サバイバル』(藤井孝一・ちくま新書)には、サラリーマン出身の飲食店経営者の経験談の一つに、職場で培ったコミュニケーション力やマネジメント力、会社で使う計数管理などの経験が飲食業にも活かされたとある。

次にシェアビジネスとしての飲食店はどうか。

最近は、カーシェアやシェアハウスなどが一般的になって、シェア(共有する、分かち合う)という言葉がよく使われるようになったが、友人と一つの店舗を共同経営者としてシェアしながらその飲食店を成功させ、やがてはそれぞれが独立した店の経営者へと、本格的に生き方を変えることができるならば理想である。

また、店舗のシェアリングは、共同経営者の一方が病気になったり、旅行に出たりする場合にも、パートナーによってカバーすることができ、店を休まなくともよいというメリットもある。

また、シェアする共同経営者を求める方法として、ソーシャルネットワークサービスの利用も考えられる。

もともとシェアの概念そのものは昔から存在していた方法だが、IT技術の進歩によって誰でも気安く情報がやり取りできるようになった。

飲食業の経営者を目指す人に重ねて強調しておきたいことは、幅広い交友関係を築き上げておくことの重要さである。

ハーバード大学のジェームス・ヘスケットらによると、新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍以上になるともいわれる。今まで利用したことのない顧客に買ってもらうよりも、現在の顧客にもう一度買ってもらうほうが、はるかに低コストですむということだ。

人間力が資本力に振り回される現状の格差社会に強い矛盾を感ずるが、そのような現状に一石を投ずる意味でも、店舗銀行システムは、人間力豊かな人たちに協力を惜しまないことを約束したい。

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14)むすび 一つのソーシャルビジネスとして

この小冊子を書き終えた今、あえて最後に主張しておきたい私自身の日ごろからの想いがある。

それは、誤解を恐れずに言えば、

資本力のある外食企業ならいざ知らず、生業規模の店を借金までして作り、所有すべきものだろうか

という問いである。

確かに、自分の店を持つ(所有する)のは、一つの城を手に入れ、その城主になったような気分になれるかもしれない。それはそれなりに誇らしく、快い事とは思う。

だが、たとえ城主であるとはいえ、生身の人間である。人生、その身に何時、何が起こるか、わかったものではない。

ケガや病気に襲われるかもしれないし、心身の老化も避けられない。また、熱意を持って取り組んでみたものの、経営不振に陥ることもある。そうなると、多くの場合、せっかくの店を、手放さなくてはならない状況に迫られる。

しかし、そうした時に、思い通りに撤退ができるのだろうか。

長年、飲食業界に身を置いてきた私は、店を「所有」した結果、事情があって辞める際に、経営者を苦しめてしまう例を、多く見てきた。

ここで、改めて、店は何のためにあるのかを考えてみたい。

経営者にとって本来の店を持つ目的は「店を所有すること」ではなく、「経営して、収益を上げること」にあるはずである。

経営者の楽しみ、喜び、誇りといったものは、自らが人間力を発揮して、店を繁盛させ儲かることによって初めて得られるのであって、店の所有とは関係がない。であるならば、経営者は、必ずしも店を所有する必要がない。

店舗銀行システムの仕組みを始めて、40年以上になる。その仕組みは、投資家(オーナー)は資本を、店舗銀行は成功する店舗づくりを、経営者は人間力を、それぞれ提供し合い、共生しながら共同事業を進めていくというものであり、常に一貫している。

つまり経営者は店の「所有」ではなく、「経営して収益を上げる」ことにエネルギーを注げばよいという仕組みである。

このように、店の「所有」ではなく「活用」に、目的と大きな価値を置いた店舗銀行システムの基本的な考え方は、「脱所有」にある。

実は、この「脱所有」の考え方は、シェアビジネスの隆盛にみられるように、今後のビジネスの主流になろうとしている。

そして「脱所有」の仕組みであることによって、店舗銀行システムの飲食店経営者は、人間力さえあれば「お金がなくても経営者になれる」し、ときに、自分の健康や家庭の事情等によって、いつでも「やめる自由」を手に入れているのである。

将来に希望の持てる場=飲食店で自立しようとした人々にとって、経営者となる垣根がきわめて低くなり、人生の可能性が広がったと言ってよいだろう。

格差社会も問題であるが、それ以上に、現代社会では、いくら本人が頑張ろうと思っても頑張ることのできない社会構造になっていることが大きな問題である。

社会的課題を解決するためにビジネスの手法を用いて取り組むというのがソーシャルビジネスの定義だとするならば、私は、這い上がることの極めて困難な現代社会の課題を乗り越える仕組みとして、多くの方が、この店舗銀行システムの考え方に生き抜くヒントを見つけて頂ければと心より願っている。

葛 和 満 博

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